Thread by @bokukoui

これぞまさしく、日本の悪しき伝統というべき「通俗道徳」の罠ですね。一生懸命働けば財を成して家を守れる、という発想自体はまだしも、それの裏返しとして、貧しい者は怠け者だから自己責任、となってしまうのです。

https://twitter.com/feedback515/status/1382995089278992384

通俗道徳というのは、歴史家の安丸良夫が命名した概念です。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
amzn.to/2OUVztM

江戸時代に生まれた通俗道徳が、近代に入ってどのように貧苦にあえぐ人びとを切り捨てる論拠となっていったかについては、松沢裕作先生の『生きづらい明治社会』がやはり入門に最適かと思います。
amzn.to/3uWteCF

貧しさが「自己責任であって解決すべきことではない」とされていた時代に、これは「社会問題」なのだ、と問題であることを唱えた先駆者は、偉大であったと思います。社会科学では（人文科学でも）、一番大事なのは「問題を見つける」ことなのだと言われている、その源流といえるでしょう。