U.4 17/24
pp.121-122 (柳瀬尚紀訳 河出書房新社 2016年初版)
ゴブがメシクレと騒ぐので一回ツイートを切りました。
いよいよ難儀な10行。私が読んだのは、概ね、イギリスとアイルランドの関係を隣の家と自宅の間の庭に喩えているのであろうな、ということ。
とにかく、ブルームの裏庭を菜園にしようとして、壊土(ローム)なので糞をやらないとダメだと思う。
で、隣の家は鶏を飼っていてその糞がいい肥やしになるのだが、とか
#三月ユリシーズノート
第1挿話 p.29 マリガンがミルク老婆に「食い物もこれくらい上等ならなあ、(…)
#三月ユリシーズノート
と、アイルランドを表現しているのと合わせて、しつこい糞をそんなふうに読んだわけです。
#三月ユリシーズノート
U.4 18/24
p.122
まず、帽子の行方。今のところ不明。
玄関スタンドの傘は四本。
ドラーゴーの店の戸の鈴が鳴ったのはいつ?
今でしょう。
焦げ茶の艶出し油を光らせて(…)めかして出てきた男(これはボイランでよかですか?)を思い浮かべ手いたのはいつ?
今でしょう。
…。あ、鼎訳にそんなが注釈あった。
葬式前に行くつもりのIRBを助けた風呂屋、ダブリナーズに出てなかったっけ?そんなのが。
#三月ユリシーズノート
U.4 19/24
p.122
(そろそろくたびれてまいりました)
「はいよ、お姐ちゃん」はドルーガックのp.108の台詞。「アジェンダス何だっけ」は、p.109のチラシの会社名。ドルーガックの口癖は覚えていても聞き慣れない単語は短期記憶の彼方へ。
隣家の窓をちらりと見上げ、
「王様は金庫の間にて金勘定」これはマザーグースの6ペンスの唄。自分を王様に喩えたか。
で、「誰も見えない。」
文字通りには、隣家には誰も見えない、ということだけど、6ペンスの唄の続きは、
#三月ユリシーズノート
さらに唄は『女中が庭で洗濯物を干す』なので、さっきの「お女中がお庭にお出まし」にかかるらしい。(鼎訳注)
ということはなに? モリー女王がいないと?イギリス(宗主国)がいない?
#三月ユリシーズノート
U.4 20/24
p.122
はい便座に座った。
ティットビッツを広げました。
後のフィリップ・ボーファイ・バリーとかいう作家(当時26才素人)の入賞小品『マッチャム驀地(まっしぐら)』(Macham's Masterstoke)
…なんでこの字なの?『ま』と『M』の頭韻はわかるが。
ま、それはそれとして。
はいまた出ました。金勘定。
意識の流れが全部書いてるわけではないのが、この「3ポンド3シリング。3ポンド、13シリング6ペンス。」のピリオドの間の計算の仕方で分かるのでは?
#三月ユリシーズノート
#三月ユリシーズノート
U.4 21/24
p.123
ここでは、column(段落=円柱)という原文の洒落を知らず、三段半の小品を「静かに読んでいく。(…)すっきり去った。」のリズム感で、うむ!ウンコも三本半だったんだな!と確信した私をほめてくださいwww
columnは小林さんがコメントされていました。
フランク・マッチャムってこのあとなんかあるんだっけ?
#三月ユリシーズノート
U.4 22/24
p.123
ブルームも懸賞作品を書きたいわけで、そのネタのために、「あれ(モリー)の言うせりふをカフスに書きつけて」
カフスに? あんなとこにメモするのは一般的なのだろうか? 看護士が手の甲にメモする的な?
時間まで入れて時系列に書いているカフスメモの羅列。
グレタ・コンロイ(ダブリナーズ『死者たち』の?)が出たりしてるが、
#三月ユリシーズノート
「時の踊り」は歌劇『ラ・ジョコンダ』のタタッタタ、タタッタタ…ていう有名なやつ。これも不貞が成功する話。
#三月ユリシーズノート
U.4 23/24
pp.123-124
カフスメモから回想へ。
『ラ・ジョコンダ』に唐突なバレエ『時の踊り』が入るので「あれ、説明してくれる」とモリーが訊いているのか。
ブルーム、博学。でも、モリーの心ここにあらず。その晩がボイランとの初めての出会いだったのだった!
ブルーム、『時の踊り』の時の流れの衣装演出が旨いとなかなかの慧眼。
#三月ユリシーズノート
読書会で「思い出しているブルームはウンコしてるんで、ボイランへの反感からウンコ臭いのではないか(大意)」という意見があって、なるほど。
なるほどってのは、常にいまの語り手の状態が語りに反映されているはずと読むのはありだなあ、と。
#三月ユリシーズノート
U.4 24/24
p.124
(ついに、第4挿話メモのラスト)
「目映く手足を冷えきらせて」は、初っ端(1/24)の疑問で書いた「1904年6月16日のダブリンは暖かかったのか?」問題。
しかし、ダブリナーズの体温はどのくらいあるのであろうか。
その前に、六点鐘なのになぜ15分前とわかるのかと疑問だったけど、いま考えると、ちゃんと「時を告げる弔鐘」と明記しているから、葬式開始15分前を告げると決まっているんですね、きっと。
#三月ユリシーズノート
これはもう柳瀬訳の圧勝でしょう。
ちなみにノートの絵は考え過ぎw
#三月ユリシーズノート
ヴォネガットを知らないはずのない柳瀬さんなら「ハイホー」と訳してしかるべきではないか? やれやれ。ハイホー。と思ったのですが、
#三月ユリシーズノート
読める!
p.120 「浜辺の娘たち」を「くゎーらくら」と歌った男は、ブルームを「ハイホー」という気分にさせるやつ! ブルームは弔鐘にボイランの歌を聴いている!(ハイホー?)
#三月ユリシーズノート