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#三月ユリシーズノート
第4エピソード(カリュプソー)
こちらがブルーム編担当のガボ・ジョイスですw

「2022年の『ユリシーズ』―スティーヴンズの読書会」に2回参加しまして、読書ノートが自分でも読めないことに気付き、公開しながら注釈つけようという思いつきですw
stephens-workshop.com/ulysses-in-202…
U.4 1/24
上部欄外の赤文字は、読書会主催の南谷さん(@YMINAMITANI)の事前メールの読む指針。
●マークしてみよう「気になる言葉、表記」「ブルームの考え事、文化的・歴史的事実」「モノ、マイナーキャラクター」
●第1挿話との類似・共通点
●20世紀初頭のダブリンと21世紀初頭の日本との比較
この調子じゃ終わらんのでw、以下、私の自己満足ノートということでw

登場いきなり臓物喰いで第3挿話の高踏妄想から現実に引き戻すリオポウルド・ブルーム。柳瀬訳に難癖つけてます。レオポルドでいいじゃん。まあ、ディーダラスをデッダラスにしたのはダイダロスを響かせたいからでいいですが。
柳瀬訳では「うまがる、腹苛立ち、取り繕い閉じ」なんかをマークしてますが、この頃(GWあたり)はまだ原文にあたる気はなかったので、何のシャレを置き換えてるのかまでは追及してません(これ書きながら気になってきましたが、やり出すと終わらなくなるのがユリシーズの沼)。まあ何かの鞄語か。
他に「温泡(ぬるあわ)のミルク」が、p.110の「湯泡(ゆのあわ)と降る雨を昔は称した」や、p.16の「靄青(もやあお)」などと音が響いているのは好きです。

猫関係では現在と変わない疑似会話をしてるなあ、と思いましたが、そこは南谷先生の独擅場。動物愛護法の制定などなどまだまだ猫でも深い読みが。
第1挿話との関係。
臓物の対応では、スティーヴンの母の肝臓とブルームが喰いたがる豚の腎臓。タランティーノ風。ミルクも4挿話ではハンロン牛乳店が1挿話では婆さんが届けにくる。で、なんで朝っぱらから腎臓買いに肉屋にいくのかというぼんやりした疑問と結びついて、ああ、冷蔵庫がないのか、と。
卵は保存が利くという主催者のお一人平繁さんの読書会当日指摘もありましたがw、p.103あたり「とにかくこう雨が降らなきゃ」いろんなものが新鮮な状態で手に入らない、20世紀初頭のダブリン。
モリーの親父さんトウィーディーは露土戦争プレヴナ遅滞戦のどっち側だったのかに拘ってる私、粘着質w
で、このあたりでいちばん「?」なのは、「1904年6月16日のダブリンは暖かかったのか」問題。
p.101 「柔和な初夏の朝」、p.104とp.121では「今日は暑くなりそうだ」と繰り返しているにも関わらず、p.124でブルームは「目映く手足を冷え切らせて」おるのはなぜなのか。暑いんじゃないの?
だって、第1挿話で若い衆は海水浴までしておるではないか。ちょっと日陰でウンコしたくらいで「手足を冷え切らせ」たりしないのではないか? と思っていた私。と、第2回の読書会でハプニング的「平繁です!わたしは今ここマーテロ塔に来ています!」企画で、ふと漏らした言葉を聞いていきなり納得。
「この辺の海岸にはいつも誰かが泳いでいるんです。16℃くらいしかないんですけど」

! そうか! ダブリンっ子はちょっと気温が高いことを「暑い」と言ったり泳いだりするのか! そりゃ日陰で尻出してれば冷える日和でも「今日は暑くなりそうだ」と思うわ!w

(うーむ、長すぎる。反省)
U.4 2/24
読書会当日も、ブルームの外見や肉体的な特徴がほとんどわからないという声あり。
そもそも4挿話だけで彼がユダヤ系であることがわかるだろうかという話もあると。

そんな中、「頭文字入りの厚ぼったい外套」「遺失物取扱所の 古物防水服」「プラストウ高巾日」などの小市民風アイテム。
あと、ブルームの無尽蔵なポケット問題w
とりあえず、じゃがいもが入っている。これは御守りとの南谷先生の話。じゃがいも飢饉からの流れか。

「うまいこと泳いでいる将校クラスも大勢いるんだろう。もちろんだ」 切手、買い占め、先見の明、うまいこと泳いでいるとは一財産を作っていることか。
プラストウの帽子に挟まれた「白い紙片」とは? この挿話ではもう出ない。

第1挿話との関係
●ブルームもスティーヴンも黒服=「喪服」
●鍵を持っているスティーヴンと忘れてきたブルーム
● 快傑ターコウ=パントマイム=p.22、p.15 スティーヴンはだんまり役者という隠喩?
p.105 にも快傑ターコウ。ブルームのだんまり役者、中東風の妄想場面。読書会ではオリエンタリズムというテーマに補助線が引かれた。
「昧(くら)い言葉で 家に入るようにと子供らを呼ぶ」
この「昧(くら)い言葉」は、無知蒙昧の昧でブルームの知らない言葉ということを臭わせているんだな、と
思っていたのでした。いま初めて、原文「dark language」と鼎訳「謎めいた東洋の言葉」を確認しw 当たっていたようだけど、ここについては鼎訳はつまらんなあと。柳瀬訳に256カノッサ。

こういうところ、英語話者には当然の読みなのか、一定の共通解釈なのか、素人にはなかなか判断がつきづらい。
「ポーランド麵麭(…)あれの好きなのは昨日の麵麭」というところは、p.114 の「あの香りは次の日になると」の香りにかかっているのかいないのか。

アーサー・グリフィスがフリーマンの社説の図案云々で「自治の太陽が北西の方より昇る」のは、描かれたアイルランド銀行の方向のせいらしいけど、
ブルームが「愉快」になるのは、自分の家のあるエックルズ通りがダブリンの北西の端で、なおかつ、アイルランドがイギリスの北西にあるっていう位置関係を思って「愉快」になったのではないか。

そういや「置左離」とは何の訳か?っていまみたら、「I left off」……マイナス256カノッサ…。
#三月ユリシーズノート
長いのでミュートし易いタグをつけました。

U.4 3/24
きりがないので、柳瀬訳の元ネタには極力触らない方向でw

「励みのラーリー」はハゲてい()
リートリムはダブリンの北のマリンガーのさらに北の田舎な「んだってば」

日露戦争への言及。
アダム・フィンドレイター、ダン・タロンは食品、ワイン商の有名人。ダブリンには酒屋(パブ)が多い。

そう言えば、読書会の懇親会で南谷先生がパブが男の飲み屋として形成された経緯の本をお勧めしてたっけ。なんだっけ。

具体的にどういう詐欺を構想してるのかに拘る私。

#三月ユリシーズノート
「色葉に…」はアルファベットの語呂合わせ暗記法を移したんでそんなに嫌いじゃないです。それよりも、
「イニシュターク、イニシュアーク、イニシュボフィン」が地理(アラン島より北の三島)の暗唱で、謎の joggerfry があって、mine, Slieve Bloom. とくる。

#三月ユリシーズノート
はい、私、Slieve と Sieve を見間違えておりまして、「ふるいにかけ」てブルームの名前が地理ちりばらばらになったのかと思っていたことに、「いま」気がつきましたwww

いやー、なかなかオシャレな訳のよのうなどと思っていましたが、なんだかわからなくなりましたwww

#三月ユリシーズノート
#三月ユリシーズノート
U.4 4/24
(まだ1/6か…。スピードアップ)
場面はドルーガックの肉屋。
「黒白のポローニ」とは?黒白のポローニソーセージ?
「豚の血の生温かい息を沈着に吸い込んだ」のはユダヤの不浄なものに対するブルームの意識か。
ユダヤ性を匂わす表現としては、
肉屋の包装チラシにモーゼズ・モンティフィオーレ(イスラエル建国の父)の農場広告があるのを見て、ブルームがドルーガックのおやじを「やっぱりこの男は。」とユダヤ人と思っているらしいが、そんなの言われても分からんよ。

#三月ユリシーズノート
そのチラシを見ながら「ぼやけた牛の群が草を食む。少し離して見る。面白い。近づけて読む、見出し、ぼやけた草を食む牛の群。」というのは、写真の肌理が荒いのかブルームが老眼なのか。

女中の尻、鼬目の豚肉屋、健全むちむち、牝牛の熟れ肉の尻っぺたをぺたんぺたん、

#三月ユリシーズノート
生木の鞭を振り回していた。等々、サディズム的。しかも「ほだされた従属の視線」で女中のよじれたスカートの尻をチラシ越しにチラ見るブルーム。エロおやじ。

鞭と言えば第1挿話でマリガンがバスタオルで羊歯や雑草の若茎をばしっばしっと打つ「わんきゃんうるさい」シーン。

#三月ユリシーズノート
しつこく女中にスカプラリオで信仰をまとわせておいて、極上のソーセージ。あたし迷っちゃったの。ってどこまでもエロおやじ。
…これは、モリーとご無沙汰という婉曲表現?

そして、ブルームの無尽蔵ポケット問題w
三ペンスをポケットから直に出すのはまあいいとして、

#三月ユリシーズノート
「片手でじんわり柔らかな臓物を受け取り、脇ポケットへ滑り込ませる」な!こら!気持ち悪いだろ!

ここがこのあたりでは最もショッキングなシーンw

読書会では、三ペンスを置く棘々皿と猫の棘々舌の対比あり。

(そう言えば、ここでも硬貨のやりとりと計算が頻出)

#三月ユリシーズノート
#三月ユリシーズノート
U.4 5/24
モーゼズ・モンティフィオーレの農場?(アジェンダス・ネッティム、拓殖会社)のチラシを読むブルーム。文字通り読んでいる。
ヤッファ、ドゥナムなどイスラエル関係の単語。
p.122で「アジェンダス何だっけ?」と短期記憶の儚さが出てくる。
チラシに「牛の群が銀色の熱気にかすむのを見る。銀粉をかぶったオリーブ樹。」と「銀色」が重なるのはなぜ?
自説① たんにチラシが銀色。
自説② チラシの「八十マルク、十マルク」のマルク銀貨に連想が引きずられている。

#三月ユリシーズノート
チラシの「シトロン」(みかん)から「あの頃」の仲間シトロンを思い出している。
モリー、シトロン、マティアンスキー、モイゼル。
聖ケヴィン街、アービュタス・プレイス、プレザンツ通り、愉快通り。

プレザンツとプレザント・オールド・タイムの洒落を「通り」で代替…

#三月ユリシーズノート
シトロンについてモイゼルが「疵一つあってもだめなんだぞと言ってた。」
『肖像』の地獄の説教でも「神はたったひとつの微罪も見逃さない」と。カトリック/ユダヤともに赦さない神?

#三月ユリシーズノート
『肖像』はモノリシックな宗教的精神からアクィナスの「美の全体を連結して出来上がる芸術」へと進む話とも読める。

#三月ユリシーズノート
ついでに、聖ケヴィン街ってどこじゃろかと調べていたら、聖ケヴィンの伝説がおかしかった。

アイルランドいにしえの東部、8つのおもしろ情報
7 手の中の鳥…
ireland.com/ja-jp/%E8%A8%9…

(卵が孵るまでにこのツイートは終わるのか…)

#三月ユリシーズノート
#三月ユリシーズノート
U.4 6/24
「あれ何ていう男だっけな。いやどうも。気がつかない。挨拶するだけの顔見知りってのはかえって煩わしいや。背中があのノルウェー人船長にそっくり。今日また出会うかな」
その程度の知り合いでまた出会うか考えるかな?
誰と出会ったのか?
ノルウェー人船長とは誰?
「雲が一つ、太陽をゆっくり覆い始めた」が、第1挿話のP.21の雲と同じらしい。

雨が長く降っていないらしいことから、このときブルームの妄想は、 「いやそんなふうじゃないんだ」と急転直下、旧約聖書的な乾いた死のイメージの海水、街。

#三月ユリシーズノート
妄想①
腰の曲がった老婆が小瓶の首を握りしめてさまよえるユダヤ人。
 →どこでも産み、すぐ死ぬ。
 →もう産めない(ぼぼ=女陰) 

妄想②
イメージは銀色から鉛色へと移る。 
「鉛色の恐怖がじゅっと肌に焼きゴテを這わせた」とは、何を焼き印したのか? 

#三月ユリシーズノート
p.108の「烙印を押した羊」→「女中の熟れた尻っぺたをぺたんぺたん」 からの連想の連鎖なのか、焼き鏝はブルーム自身に向かってくる。エロおやじの憂鬱。

この間、第1挿話では、スティーブンが胆汁の緑色をした海を見ながら母の死を思い出している。

#三月ユリシーズノート
ブルームの無尽蔵のポケット問題w
「チラシをポケットに突っ込む。」
「ひんやりぬるぬるもの」

 …腎臓を脇ポケットなんかに入れるからろくでもない妄想に襲われるw

#三月ユリシーズノート
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U.4 7/24
不吉な連想から覚めようとブルーム
●反ユダヤ的行為をしている「おれ」は大丈夫。
「なあに、おれはこのとおりさ。そうおれはこのとおり」
●言い伝えのせいだ。
「左足からベッドを出ると不吉」
●体を動かして不吉から逃れる
「サンドウ体操(ボディビルの父)」
●周りに目をやって気をそらす。
「タワーズ、バターズビー、ノース、マッカーサー」不動産屋の広告が八十番地のアパートにベタベタ貼ってある。
●モリーと朝食を思い浮かべる。

金髪の娘が走ってくる。→ミリーが出迎えてくれていた頃の光景を思い出している?

#三月ユリシーズノート
第1挿話と第4挿話の関係
(ノート見開きの右上部分)

第1挿話

p.14 スティーヴンはキングズタウンの港江を出て行く「郵便船」を見下ろしている。

p.21 ファーガスンの歌の続きで
「海面の鏡が軽やかな靴をはいて駆ける足に踏んづけられて白くなる」

そして、

#三月ユリシーズノート
「雲がゆっくりと動いて、太陽をすっぽりと覆い、湾をさらに濃い深緑に翳らせた」

第4挿話

p.110 「雲が一つ、太陽をゆっくり覆い始めた。すっぽりと。灰色」

★太陽が翳ることで時間的な対応関係。

ここからブルームとスティーブンが各々老婆や母の死を妄想している。

#三月ユリシーズノート
第1挿話

p.23 「暖かく走る陽光を聞き取り」

これに対して、

第4挿話

p.111 「早足の暖かな日差しがバークリー通りから駆けてくる。素早く、ほっそりしたサンダル履きの足で」

が対応している。

★その直後! ブルームの前に手紙と葉書が現れる! 

#三月ユリシーズノート
第1挿話のあの「郵便船」が、軽やかな靴を履いて海を白く踏んづけながら、ヘルメスのように陽光とともに、バークリー道路へと素早くほっそりしたサンダル履きの足で駆けてきて、第4挿話に「手紙と葉書」を届けたとしか思えない! はい、決まり! ファンタジー!w 

#三月ユリシーズノート
届いた二通の手紙と一枚の葉書。

手紙は
①マリンガー(ウェストミーズ州)からマリアン・ブルーム宛て
 →「ミセス・リオポウルド・ブルーム宛て」ではない露骨さ
②ミリーからブルーム宛て

#三月ユリシーズノート
葉書はモリー宛て。

「小包が届いた」と書いてあるとモリーが言う…。

あ! これはミリーからのか! 誕生日プレゼントの「可愛い箱のクリームチョコ」のことかあ。
いま気付きましたw

第1挿話で、ウェストミーズのバノンの可愛いフォトガールとは、ミリーのこと。

#三月ユリシーズノート
モリーとブルームの微妙な関係。

何度も来ているマリンガーからの手紙をモリーは枕の下に隠す。

そもそもブルームが知っていることをモリーが知らないわけがないのになぜ枕の下に隠すのか。
なぜそれを見てブルームは何も言わないのか。
大人ってめんどくさーい。

#三月ユリシーズノート
#三月ユリシーズノート
U.4 8/24
「モリーの縦縞のペチコート、脱ぎ捨てっぱなしの肌着」→前夜も遅かった。

コーシャー(豚肉と血とソーセージ)、猫に「コーシャーだよ」と血つきの豚肉を渡す。
 →ブルームのユダヤ人性はどの位?
→読書会でブルームの宗教的な変遷(ユダヤ→プロテスタント→カトリック)について説明あり
(「ちょっとご都合主義的な?」というコメントもあり)

ユダヤ性と同時に、ブルームのアイルランド民族主義的な面もどの程度なのか。

#三月ユリシーズノート
ミリーの手紙の内容の予告的要約が断片的。
内容が明かされるのは5ページ先で、断片を再構成させるユリシーズの読み方の要約のような感じ。

「コックランさん」は手紙の中でミリーの下宿先の写真屋さんとわかる。(ここでは誰なのかまったく不明)

#三月ユリシーズノート
めらめら大尽ボイラン(ブレイゼズ・ボイラン)登場。件のモリー宛て手紙の主。モリーの不倫相手(ネタバレ?まあいいよね?)

問題なのは、モリーの浮気相手を夫と娘が符丁で呼び合うということなんだけど、ミリーまだ15歳になったばかり。いいのか?

#三月ユリシーズノート
(ロイヤル)クラウンダービーのマスターシュカップ(ノートの絵のような)取っ手のあるやつ。

(これの持ち方が次のシーンでなかなか面白い)

#三月ユリシーズノート
幼い頃のミリーの思い出。

サミュエル・ローバーの詩「You are my darling」のもじり。

「with house and garden」→「with her ass and garden」→「おけつと庭持ち」

ケティー・キーオウとは?

「夜から朝まで我の見つめる鏡」→第1挿話でも「鏡」が頻出。

#三月ユリシーズノート
(変なとこにリプライしてたので再投稿)

以下に、スレッドを分けて続けます。長すぎw

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