動画『ブラック・ライヴズ・マターへの父親からの質問』を訳してみた。ダン・コリンズの誇りは、13人の子供の父親であること。8人は白人で、5人は黒人の養子だ。彼はブラック・ライヴズ・マターを支援したいと思うが、その前にいくつかの質問の答えを聞きたいと考えている。
私は自分がありふれたアメリカ人の1人だと考えている。1つだけ違う点があるとするなら、私の家は大家族だということだ。これは、最近のアメリカではよくあることではない。私は13人の子供の父親であることを誇りに思う。子供たちの8人が白人で、養子に迎えた5人は黒人だ。
私にとって家族は最大の喜びであり、私は自分の人生を家族の安寧と幸福に捧げている。私はいま、苦しんでいる。我が国の歴史の中でも苦難と痛みにあふれたこの時代において、私の黒人の子供をどう支援すればいいのか、本当にわからないからだ。
ブラック・ライヴズ・マターのムーブメントに参加すべきだと言う人もいる一方で、絶対に関わるべきではないという人もいる。答えを見つけ出すために、ブラック・ライヴズ・マター・グローバル・ネットワークにいくつか尋ねたいことがある。質問を始める前に、その背景についていくつか話しておきたい。
2020 年の夏。私のホームタウンであるカリフォルニア州ラメッサで行われていた平和的なBLMのデモは暴力的なものに変わった。抗議のために集まった人々が、暴動、略奪、放火を始めたのだ。次の日、私は14歳になる黒人の息子とダウンタウンに行き、清掃を手伝った。
がれきの中、黒焦げになったチェイス銀行のそばを通り過ぎるとき、壁に「BLM」の文字が落書きされているのに気付いた。まるで、銀行を破壊した手柄は自分たちにあるとブラック・ライヴズ・マターが主張しているかのように。私は信じたくなかった。
生物学的な子供と養子として迎えた子供の両方を持つ親なら誰でもそうだと思うが、私はすべての子供を等しく愛している。子供たちが肌の色を理由にぬれぎぬを着せられたり、不当に扱われたり、標的にされたりするのは見たくない。人種に関する正義や平等を確保するための平和的なムーブメントなら、…
…なんであろうと私は支援するつもりだ。

私は法と秩序の必要性も認識している。それなしには、コミュニティは繁栄するどころか長続きさえしない。これが私の葛藤と混乱の原因だ。私たちの家族にとって、ブラック・ライヴズ・マターのムーブメントを支援しながら、警察も支援することは可能なのか?
私は答えを探してあなたたちの Web サイトを開いた。しかし、聞きたいことがさらに増えただけだった。

あなたたちのミッションにはこう書かれている。「国と自警団員から黒人コミュニティが被っている暴力に介入するために、白人の優越性を根絶し、現地の力を構築する」。
しかし、これをどのように実現するのかについては説明されていない。あなたたちの言う「白人の優越性」の定義は何なのか? 「現地の力」とは? 「国」とは、おそらく警察のことを指しているのだろう。「自警団員」とは誰を指しているのか?
そして、どうやって「国と自警団員から黒人コミュニティが被っている暴力に介入」しようとしているのか? 正直なところ、ミッションを実現していくにあたって、あなたたちは平和的な手段を取りたいのか、暴力的な手段を取りたいのか、私にはわからない。
最近まで、「西洋が規定した核家族の構造を破壊する」という文言も Web サイトに記載されていた。私の家族はその描写に当てはまるのか? なぜ私の家族の構造を破壊したいのか?
この文言はいつのまにか削除された。これは、その考え方を変えたことを意味するのか? それとも、何か都合の悪いことがあったのだろうか?
私は、地元のブラック・ライヴズ・マターの支部に連絡した疑問に答えてくれる誰かと話ができるのではないかと思ったのだ。その後、地方本部や全国本部にも連絡した。返事はなかった。そこで、私は自分で調べることにした。
私は、インターネット上で、創設者の1人であるパトリス・カラーズのインタビューを見つけた。「私たちは訓練されたマルクス主義者だ」と彼女は言った。「私たちはイデオロギー的理論に精通している」。その理論とは何か?
ブラック・ライヴズ・マターはマルクス主義にインスピレーションを得た組織なのか? マルクスは私たちの文明を “力で打倒” することを主張していた。それがBLM の望むことなのか?
質問はほかにもある。あなたたちは、組織として、合衆国憲法を信じ、支持するのか? 国旗を尊重するのか、それともそれを抑圧の象徴と見ているのか? 人を判断するための主な基準は、人格だと考えるのか、それとも肌の色だと考えるのか? 他人の個人財産や私有財産の破壊を支持するのか、非難するのか?
像や記念碑などの公共財産を汚したり壊したりすることが正当だと信じるのか? あなたたちが望むのは、警察の改革なのか、予算削減なのか、それとも全廃なのか? 私は、答えを求めている数多くのアメリカ人の1人だ。しかし、どうやら答えは得られそうにない。
報道によれば、あなたたちの組織を支援する目的で何百万ドルもの資金が集まった。そのお金は何に使われているのか? 黒人コミュニティを何らかの方法で支援するために使われているのか? 誰もその答えを知らないようだ。
BLMの抗議運動に伴う破壊行為で被害を受けた黒人を助けるために資金の一部を使うことを、私は謙虚な気持ちで提案したい。私は、BLMの名のもとに暴動で店を破壊された黒人の商店主のことを考える。友人の質屋経営者を略奪者から守ろうとして射殺された元警官のデビッド・ドーンの家族のことも考える。
黒人の命は大事だと私は心の底から思う。私の黒人の子供たちを支援する取り組みとして、ブラック・ライヴズ・マターという組織をサポートしたいと思う。しかし、あなたたちの信念や目標がわからないのであれば、それは難しいことだ。
父親として、一般的なアメリカ人として、あなたたちの答えを待っている。

ダン・コリンズでした。(了)

英文スクリプト: ↓
prageru.com/video/a-father…

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16 Jan
アイルランドで今週とても大きな話題になったのは、カトリック教会や国が運営していた母子支援施設で重大な人権侵害がはびこっていた件について調査結果が発表され、これに基づき首相が被害者に謝罪した件。日本語でもニュースになっていました。

afpbb.com/articles/-/332…
今はそうでもないですけど、アイルランドはご存じのようにカトリック教会の力が強く、未婚でセックスすることも道徳的に悪だとされていて、結婚していないのに妊娠するなんていうのはもってのほかだったのです。また、中絶も (強姦でも近親相姦の結果でも) 違法でした。
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30 Oct 20
動画『風力と太陽光の何が問題か?』を訳してみた。風力、太陽光、バッテリーは、ほんとうにクリーンなエネルギーなのか? 実は高い代償が隠されているのではないか? マンハッタン・インスティチュート上席フェローのマーク・ミルズが、環境と経済の両面から説明します。
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28 Oct 20
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26 Oct 20
英国の「モア・イン・コモン」というシンクタンクが10,000人にインタビューして英国民の社会や政治に対する考え方を調べた。自分が右派または左派に属していると考えている人は22%。70%の人が、右派/左派みたいなラベル分けは役に立たないと考えている。

inews.co.uk/news/politics/…
この調査では、右派/左派の代わりに、政治的考え方や社会的立場に基づき、「進歩的な活動家」から「筋金入りの保守派」まで、人々を7つの集団に分類している。これは2年前のアメリカでの調査(米国の調査に関する記事の翻訳↓)と同じ。今回の調査はたぶんそれを意識している。tarafuku10working.hatenablog.com/entry/2019/12/…
たとえば、「進歩的な活動家」のプロフィールはこんな感じ。

人口の13%
中年で裕福
ガーディアンとチャンネル4がお好き
不平等と気候問題を重視
反ブレグジット
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ソーシャルメディアで吠えている
イギリス人としての誇りが最も低い

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26 Oct 20
動画『それはスカンジナビアではなくてベネズエラ』を訳してみた。サンダースや AOC などの民主社会主義者はアメリカをどうしたいのか。彼らの政策は、北欧諸国がモデルだという彼らの主張を反映しているだろうか。ベネズエラ出身のデビー・ダスーザが説明します。
私の生まれ故郷で、家族がまだ住んでいるベネズエラ - 不可。
キューバ - 不可。
ジンバブエ - 不可。
ソ連 - 不可。
毛沢東体制の中国 - 不可。
スウェーデン、デンマーク、ノルウェー - 優。

これが現時点での社会主義者の通信簿だという。
ベネズエラ、キューバ、ジンバブエ、ソ連、毛沢東の中国は、かつては優だったかもしれない。しかし、こうした国々の成績が不可になると、二度と優に戻ることはなく、すぐに記憶から消し去られてしまう。

だが、スカンジナビアのパラダイスはどうだ? 北欧諸国は期待を裏切ることはない。
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21 Oct 20
ケミ・ベイデノック(Kemi Badenoch)平等問題担当副大臣(イギリス保守党)の国会演説。

BLMや批判的人種理論は政治的なものであり、学校で教えるべきものではない。

「白人の特権」を事実として教えることは、法に反している。

(翻訳は以下スレッドで↓)
私たちが反対しているのは、議論の分かれる政治理念を、あたかも明白な事実のように教えること。(中略)。

人種間の関係に関する危険なトレンドについて話したい。これは私自身にも深く関連することだ。そのトレンドとは、批判的人種理論の推進である。
これは、黒さゆえに私を被害者とみなし、白さゆえに白人を抑圧者とみなすイデオロギーである。はっきりといっておかなければならないことは、政府は批判的人種理論に明白に反対する立場であるということだ。一部の学校は、反資本主義のBLMグループを公然と支援することを決定した。
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