要約:
1)
・彼の成功の秘訣は、成長株のスイングトレード戦略(急成長中の企業から最も大きな動きを探し出す)を貫いていること。
・彼の著書では投資家が直面する心理的プレッシャーとその克服方法について深く掘り下げている。
・株式市場での成功には、銘柄選択以上に集中力とリスク管理が重要。
2)
プレッシャーの中でパフォーマンスを発揮する方法を学ばなければならない。練習ではうまくいくかもしれないが、プレッシャーの中でパフォーマンスを発揮するには、自分の自信を高める必要がある。成功するためには、自分の能力と同等以上のレベルまでセルフイメージを高めることが必要。
3)
トレードは練習すれば完璧になると言われるが、間違った練習をしていてもうまくはならない。練習で完璧にするには、正しく完璧な練習をすること。そのためには、コーチをつけるか、長い時間をかけて自ら学ぶかが必要。
4)
損切り設定は必ず設定すること。1つの損切り価格を異なる価格に分散させるだけでもリスクを減らせる。例えば、▲8%の損切りとする場合、ポジションの半分に▲6%、残り半分に▲10%の損切りとすることで、同水準のリスク量にできる。前半分で2%の損を出しても、後半分で2%の利益を出しうる。
5)
強気相場の始まりでは、重要銘柄のポジションを全く持たないよりは、半分でも持っていた方がいいと思っているので、損切り価格の設定を、必要に応じて2、3、4つ等に分割することを考える。自分が最終的に取りたい損切り率を中心に損切り価格を分割し、自分が取るべきリスクを平均化すること。
6)
株式の売却時点について。買いはより機械的だが、売りはより主観的であるため、売りで利益をいつ得るかは買い検討時よりも難しい決断となる。期待や後悔、価格の行方を心配する等、様々な感情が生まれるからだ。肝心なのは、買値よりも高値で売却し利益を出し、それを何度も繰り返すことだ。
7)
売却に際しては、正しい判断で損することもあれば、間違った判断で儲けることもあるが、結果が手段を正当化するとは限らない。高リスクのトレードで儲かったとしても、それが良い判断だったとは限らない。取引に先立ち立案した計画の質と、その計画をどれだけ忠実に実行したかで評価すること。
8)
株式トレーダーに必要な特性は学ぶことができる。誰でもできる。必要なのは、その道しるべ、健全な原則、規律、そして経験。自分のエゴを抑える方法も学ぶ必要がある。マーケットは自分の身の丈以上に大きいので、1個人としては謙虚にならざるを得ないのだが、それは言うほど簡単ではない。
9)
多くの人は、私がどのようにトレードをするかを学ぼうとして時間と労力を費やすが、実際には私がどのように考えているかを学ぶべきだ。自分がどう考えるか、自分には何ができると信じているか、自分には何がふさわしいと感じているかが重要。テクニックに拘ることなく、最後は自分を信じること。
10)
私の考える投資家像とは、数週間や数ヶ月ではなく、1年以上の長期的なキャピタルゲインを得るために株式を保有する人のことを指す。私の場合、長期的なトレードは2~3四半期で終わることが多いが、短期的なトレードでは数日から数週間で完結する。トレードは状況に応じて柔軟に対応している。
11)
昔は手数料が重く頻繁なトレードは困難・面倒だったので、株式長期保有で大きな利益を狙ったが、今は手数料引き下げ・オンライン取引での短期売買が可能になったので、私はポジション分散でより早く資金を複利運用できる短期売買に切り替えた。私は自分を短・中期スイングトレーダーと捉えている。
12)
私は今でも毎日トレードしている。キャリアの最初の頃のようなアグレッシブさやアクティブさはないものの、今でもこの仕事が大好きで、情熱を持って取り組んでいる。メンタリングにも情熱をかけている。誰かが成功するのを見て、自分がその人の夢や達成感を刺激したことを知るのはとても嬉しい。
13)
(様々な市場環境でリスクをコントロールするために何をしているのか、また、市場が上昇し始めたり、下降し始めたりした際に戦略を変えるのか?)
私は主に個別銘柄の動向を見ている。私の基準に合う銘柄があればそれを買う。そうでなければ現金にしておく。
14)
もし、多くの銘柄がショートされておりロングが少ない場合は、ショートに手を出すこともある。市場の状況が不透明な場合は、ポジションの割合を少なくしながら様子を見てポジションを多くする「プログレッシブ・エクスポージャー」の手法を採っている。
15)
プログレッシブ・エクスポージャーを使って銘柄を1つ1つトレードしていけば、それほど困ることはないはずだ。私は、株価指数を見ずに個別株だけを見て運用することを強く勧める(vacuum packチャレンジ)。殆どの人は数日〜数週間も続けられないだろうが、1年間もできれば必ず成果が上がるはずだ。
16)
私は段階的に投資を行い、最初のポジションである程度の利益を出すまでは、投資を増やさないようにしている。利益が出ていれば、より積極的なポジションの資金に充てることができ、それがクッションにもなる。25-50%のポジション割合で利益が出ていないのに、フルポジションにしても意味がない。
17)
(トレード前に、対象企業が長期的に魅力的かを検討しているか?)
ビジネス状況や経済の変化等、数四半期〜1ー2年先に起こる起こる可能性があることは誰にもわからず、株価にも織り込まれてはいない。我々が探す高成長企業は、斯様な変化の中でも数年単位で株価の下押し圧力に逆らって上昇する。
18)
(ファンダメンタルズの変化に対応するにはどうすればよい?)
日毎・四半期毎に状況の変化に合わせて我々も変化していくしかない。良い業績を出していて、株価が正常に機能している間は、その銘柄に固執すること。成長株では、利益、売上、利益率、そしてチャートを見るだけで十分。(続)
19)
...チャートがファンダメンタルズと一致しているかどうかを要確認。業績好調なのに株価が上がっていないなら、それはなぜかと問うべき。殆どの場合、あなたがまだ知らない何かが起こっている。私は、チャートとファンダメンタルズの裏付けがある限り、少浮動株・少取引量で小規模な銘柄が好きだ。
20)
(小型株を取引する際に、ルールの調整(特に損切り率の調整)は必要?)
大型株の方が小型株よりもトラブルになりがち。大型株の場合は一進一退の動きが多く、損切りが発動しやすい一方、小型株はブレイクアウトしてすぐに利益を得られる。つまり全く逆で、大型株の方が損切り設定は重要。(続)
21)
大型株は「Crowded Trade」(多くの投資家が注目)銘柄になり易く、ブレイクアウトを狙った場合、何度もノックアウトされる可能性がある。私は、少フォロワー・株価横ばいで推移する銘柄で、株価爆上がりにより大きな利益を得られる銘柄が好み。小型株ではポジションサイズ調整でリスク軽減する。
22)
一般的に損切りが▲8~10%の範囲に収まらない場合は銘柄選択基準やエントリー方法に大きな問題がある。私の経験上、平均的な損失割合は約4〜5%(暴落や決算後のgap down含む)。大きな損失計上はまずないし、ボラティリティーのために損切り率を調整したりはしない。
23)
(多くの人があなたの手法を活用しようとするあまり、うまく機能しなくなることはないか?)
私の手法を真似る人達の殆どは、実行に際しての規律を持ち合わせていない。確りした手法があっても、規律を持って正しく運用できなければ意味をなさない。
24)
ここ数年「ブレイクアウトは最早機能しない」と言われてきたが、実際には完璧に機能している。とはいえ、以前ほど機能しない時期はあるので、確りとした戦略を立てて機能足らしめねばならない。色々な投資手法に切り替えすぎると、一つの手法に特化できないし、タイミングよく切り替えもできない。
25)
毎年開催されている「マスタートレーダー・ワークショップ」は毎年完売しており、規模を大きくするか考えていたが、今は100-120人くらいが上限。このイベントは、参加者の人生を変えるような素晴らしいイベントになっている。
26)
デビッド・ライアンと私は、3日間かけて全ての内容を企画・確認しており、私自身、自分が開発した商品をこれほど誇りに思ったことはない。3日目にはライブでトレードを行い、私も皆と共にマインドセットや心理について一緒に考える。世界50カ国以上から集まった参加者は皆、素晴らしい人たちだ。
27)
(著書から一人でも多くの人に学んでもらいたいことは何か?)
記録は破られるためにある。自分の好きなこと・得意なことを他の人に教えてバトンタッチし、さらに改善していくように仕向けるべきだ。それが人生だ。
28)
まずは自分の能力を信じることが大切。私は、人が自分自身を信じる以上に、人を信じている。なぜなら私は何もないところから始めたからだ。全ての人は自分の潜在能力のほんの一部しか発揮できていない。自分を信じ、プロセスにコミットし、粘り強く決してあきらめないことで極みを目指せるはずだ。

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More from @stocks_leo

7 Nov
IPO銘柄はライフサイクルパターンでIn/Outを検討しよう。

「IPOトレード入門 超成長株発見法」
amazon.co.jp/dp/4775972790/…

The Lifecycle Trade: How to Win at Trading IPOs and Super Growth Stocks
amazon.co.jp/Lifecycle-Trad…

1)私はKathy Donnelly氏のYouTubeビデオの内容から重要な点を記載します。

日本語版書籍の概略は梅木さんが以下Noteにて詳述されておりますので、こちらも参照ください。

「IPOトレード入門」から導き出す、IPOベストトレード(無料記事)|梅木 雄平 @umekida #note note.com/umeki/n/n2d80c…
2)極めて高い株価上昇を実現するIPO銘柄は、例外なく大きな成長ドライバーを有し、ライバル企業の何年も先を行くDisruptive & Transformativeな会社。これらの会社をライフサイクルの初期で特定することが重要。機関投資家は斯様な会社に関心を寄せ、ポジションを建て、その銘柄の流動性は増えていく。
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30 Oct
成長株でのBreakaway Gapについて。

最高の成長株を適切なタイミングで購入したいのなら、Breakaway Gapは無視できない。

What Is A Breakaway Gap, And Why Align Technology Produced A Darn Good One investors.com/stock-lists/ib… via @IBDinvestors
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Gap Up日の取引終了時には20%超上昇することも珍しくはない。出来高も平均を大きく上回る傾向がある。breakout後の上昇開始時の力が大きいほど、その銘柄は高く上昇する。

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17 Oct
保有株の売り時を考える際に押さえておくべき内容・第三弾。

「オニールの成長株発掘法 第11章:いつ売って利益を確定するか」の内容を概ねカバーしていますので、本をお読みになった方も含め復習も兼ねてご覧ください。

続く)

Summer Selling Series Episode 3
1)以下の場合は直ちに要売却。
1.積極的な売りシグナル:上昇時
2.防衛的な売りシグナル:下落時
1と2の間に「弱さの兆し」が見える場合、直ちに全株式を売却する必要はないが、少なくとも自らのポジションを縮小すること。1つのみならず複数の売りシグナルが積み重なったら売却を実行すること。
2)トレンドが明確に変化し下降局面に入った際の防御的な売りについて:事態が悪化する前にexitする最後の機会。株価下落の兆候を見逃さないこと。

防御的な売り:
①1日の株価下落が最大
②主要な移動平均線を出来高を伴って下抜け(50/200SMA)
③主要株価指数(NASDAQ・S&P500)での売り抜けが継続
Read 13 tweets
10 Oct
保有株の売り時を考える際に押さえておくべき内容・第二弾。「オニールの成長株発掘法 第11章:いつ売って利益を確定するか」に沿った内容です。

尚、24:15からの日めくりアニメーションでは、日毎の株価の動きを想像してみてください。

Summer Selling Series Episode 2
1)(続)以下の場合は直ちに要売却。
1.積極的な売りシグナル:上昇時
2.防衛的な売りシグナル:下落時

但し、1と2の間に「弱さの兆し」が見えることがある。
その場合は、直ちに全株式を売却する必要はないが、少なくとも自らのポジションを縮小すること。
2)
...そして、1つの売りシグナルのみならず複数の売りシグナルが積み重なってきたら売却を実行すること。
(トレンドが明確に変化し下降局面に入った際の防御的な売りについては3回目で説明)
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10 Oct
保有株の売り時を考える際に押さえておくべき内容。

「オニールの成長株発掘法 第11章:いつ売って利益を確定するか」の内容を概ねカバーしていますので、本をお読みになった方も含め復習も兼ねてご覧ください。

続く)

Summer Selling Series Episode 1 via @YouTube
1)売却に関する真実:
・売却は購入時よりも遥かに難しい。
・感情が取引時に入り混じってくる(期待、恐れ、欲、プライド)。
・最高値で売却しようと思うな。
・積極的な売りシグナルに従い売却すれば天井付近で逃げられる。
・一度に全株式を売却せずとも一部売却でも良い。
2)以下の場合は直ちに要売却。
1.積極的な売りシグナル:上昇時
(1)クライマックス・トップ
(2)長期の上方チャネルラインのブレイク
(3)少出来高での株価の反発・もみ合い
(4)少出来高での新高値
(5)20−25%の利益が出た場合
2.防衛的な売りシグナル:下落時
Read 8 tweets
9 Oct
ポートフォリオ管理とポジションサイズの決め方について。銘柄を売買する前に必ず設定しよう。

続く)

How Many Shares Do You Buy For A Position? This Tool Does The Math investors.com/research/swing… via @IBDinvestors
2)
①まず、自身のポートフォリオ額を確認(例:$50,000)。
②ポートフォリオ額の中で許容できる損失額を決める(例:$250=0.5%)。良好な市場環境下での目安は1%程度、調整局面では0.36-5%程度を基準に、自身のリスク許容度から判断。
3)
③次に、1銘柄あたりの損切り率を決める(例:▲2.5%)。良好な市場環境下での目安は▲7-8%程度(ポジショントレード)、調整局面では▲2-3%程度(スイングトレード)を基準に、自身のリスク許容度から判断。
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