#Shax_nichigei_1130 こんにちは。これから「古典演劇研究II シェイクスピア」の授業を始めます。今日は「印刷と出版」です。シェイクスピアの時代の戯曲の刊行についてお話します。履修登録者の皆さんは授業資料を用意してください。
#Shax_nichigei_1130 まず、小説と戯曲の違いについてお話します。小説はそれ自体で完結しているところがありますが、戯曲は読んで楽しめるだけではなく、上演のための設計図です。読みながら上演方法を想像したほうが楽しめる場合もあります。
#Shax_nichigei_1130 一方で戯曲は初演時の物理的な状況(役者の数や予算、セットの都合)などに左右される場合も多いです。また、上演はされたものの、本として印刷はされなかった芝居もあります。今でもそういう消えていく戯曲はたくさんありますね。
#Shax_nichigei_1130 なお、何らかの事情で上演を目的とせずに書かれたり、上演したいとは思っていたものの不向きでできなくなったとかいうような戯曲を、読むための戯曲としてひとまとめにしてクローゼットドラマ、レーゼドラマなどと呼びます。
#Shax_nichigei_1130 では近世イングランドで戯曲が本になるまではどういう感じだったのでしょうか。まず、戯曲はいろいろな事情で書籍化されないことがありました。上演が不人気だったとか、そもそも上演されなかったとか…
#Shax_nichigei_1130 しかしながらなかなか書籍化されなかった戯曲が全部不人気作だったというわけではないと思われます。他の劇団に題材を模倣されたくないとか、上演でお客が入る台本を刊行するとお客が減るかもと思った場合は書籍化せず、再演のためにとっておくということもあり得たでしょう。
#Shax_nichigei_1130 また、この時代の特徴として、書籍として印刷されなくても、手稿として流通することがありました。詩はとくにそういう傾向が顕著でしたが、クローゼット・ドラマはもちろん、商業演劇の戯曲でも刊行される前に手稿として回覧することがあったようです。
#Shax_nichigei_1130 女性が書いた未刊行戯曲とかは手稿による回覧がわりとあったのではないかと言われています。エリザベス・ケアリの『メアリアムの悲劇』とか、ジェイン・チェイニ&エリザベス・エジャトンの『かくれた空想』とか。
#Shax_nichigei_1130 シェイクスピアの戯曲も、いくつかは刊行前に手稿として親しい仲間やパトロンなどの間で読まれていたのではないかという説があります。シェイクスピアの詩は刊行前に間違いなくけっこう回覧されてました。
#Shax_nichigei_1130 シェイクスピアの時代のロンドンには書籍出版業組合(Stationers’ Company)というのがありました。戯曲を出す時には書籍出版業組合記録(Stationers‘ Register)に出版を登録したりするので、これが大事な史料になります。
#Shax_nichigei_1130 書籍市場じたいは非常に活気のあるものでしたが、人気があるのは宗教書や詩などで、出版される著作全体に占める戯曲の割合はそれほど多くはなかったようです。つまりたぶん劇団にとっても出版業者にとっても戯曲はそこまで凄くもうかるというわけじゃなかったと思います。
#Shax_nichigei_1130 あんまりもうからないだろうと思った場合、戯曲を印刷しない業者もいるわけでして…出版されずに消えていった戯曲も多数ありました。
#Shax_nichigei_1130 この当時は現代のような「著作権」の概念がありません。どんなジャンルの文章でも、著者のよく知らないところで海賊版が出版されてしまう可能性はありました。説教などの場合、聴衆の聞き書きがそのまま出版されてしまうようなこともあったようです。
#Shax_nichigei_1130 著者の名前が表示されていなかったり、年号が書かれていないなど、書誌情報がよくわからない本が出ることもありました。「海賊版」と確実に判明しているわけではないのですが、出版経緯がはっきりしない本も多いです。
#Shax_nichigei_1130 戯曲の場合、業者が台本の手稿を買い上げると、そのあと著者や劇団には印税は支払われず、出版権は業者のものになりました。基本的に、作家が本の売り上げで大金持ちになるという選択肢はこの時代は無いです。
#Shax_nichigei_1130 ベストセラーを出しても印税は入らないし、そもそもベストセラーとはいっても今より識字人口が少ないし、この頃の作家はシェイクスピアみたいに劇団の座付きで株主だとか、パトロンがいるとか、他の知的専門職についているとか、もともと金持ちで合間に作家やってるとかでした。
#Shax_nichigei_1130 この頃の戯曲本はどういう形態だったかですが、基本的に大きい一枚の紙を何回折りたたんだかで判型を分けます。
フォリオ(folio)…二折本 一回、紙を折った(でかい)
クォート(quarto)…四折本 二回、紙を折った
オクターヴォ(octavo)…八折本 三回、紙を折った(小さい)
#Shax_nichigei_1130 裁断しない状態で全ページを印刷します。皆さんはページを切らないといけない本を見たことはありますか?「フランス装」とか言って、綴じただけでページを切ってない本がたまにありますね。今はあんまり見かけませんが。
#Shax_nichigei_1130 図書館ですごく古い洋書を借りてきたりするとページが切れてなくて、読むときにはペーパーナイフで切らないといけないので緊張したりします。それで私の研究室にたしかページを切るためのペーパーナイフがあったはずなので写真をとって載せようと思ったのですが(続)
#Shax_nichigei_1130 引き出しのペーパーナイフがあるはずの場所にはなぜかドクター・フーのソニックスクリュードライバーしか見つかりませんでしたので、ペーパーナイフは異空間に行ってしまったものと思ってあきらめました。
#Shax_nichigei_1130 それで、近世の本に戻りますが、現代とは違い、固い表紙やカバーなどのついていない状態で販売されました。このため、ほっておくとバラバラになることもあります。
#Shax_nichigei_1130 図書館の稀覯書室で戯曲本を請求すると、たまにバラバラの残骸みたいなものが出てきてビックリすることがあります。そういうのはだいたい臭い上に触るだけで手が真っ黒になったりします。あまりにもボロい場合は触らせてもらえなくて、司書がめくって閲覧者は見るだけです。
#Shax_nichigei_1130 シェイクスピアの戯曲のかなり多くが、最初は1作だけのちっちゃめのクォート版で刊行されました。わかっているだけで21作が1642年以前にクォート版として出版されています。『ハムレット』などは1603年から1637年まで最低5回はクォート版として発行されたようです。
#Shax_nichigei_1130 『お気に召すまま』『十二夜』『アントニーとクレオパトラ』などはクォート版が発行されていません。このへんがそれほど不人気であったとは考えにくいのですが、なんらかの事情で全集(ファースト・フォリオ)が出るまで印刷されなかったようです。
#Shax_nichigei_1130 戯曲のフォリオ版全集を出すのはベン・ジョンソンが始めたことです。自分が監督した戯曲全集をフォリオで公刊しました。1616年に1巻で、1640年に1巻の再版+2巻(ジョンソンの死後)、1692年に全1巻で出てます。
#Shax_nichigei_1130 ジョンソンはちゃんと自分の戯曲を作品集で残そうとしており、この分野ではパイオニアと言えます。そんなに売れ筋っていうわけでも格が高いっていうわけでもなかったであろう戯曲をちゃんと保全しようとしたわけですから。
#Shax_nichigei_1130 シェイクスピアのフォリオは最初に1623年に出ています。これをファースト・フォリオと呼びます。1632年にセカンド・フォリオ、1663-64年にサード・フォリオが出て、これには『ペリクリーズ』他、作者の身元がちょっと怪しいと思われていた数作が加わります。
#Shax_nichigei_1130 1685年にはフォース・フォリオが出ています。計四回フォリオの作品集が出ました。ちなみに『ロミオとジュリエット』の有名な「星に呪われし恋人たち」のプロローグはファースト・フォリオに入ってなくて、私はいろいろ事情を推測してますが仮説なので概論の授業では話しません。
#Shax_nichigei_1130 それからフランシス・ボーモント&ジョン・フレッチャーのフォリオも出ています。1647年にファースト・フォリオ、1679年にセカンド・フォリオが出ていて、これは前作よりも収録作品が多いです。
#Shax_nichigei_1130 じゃあ出版されなかった戯曲はどうなるのでしょうか。手稿が残っていて、現代になってから出版されたものもあります。ジェイン・チェイニ&エリザベス・エジャトン(キャヴェンディッシュ家の娘ふたり)が書いた『かくれた空想』とかは現代になってから出て注目されました。
#Shax_nichigei_1130 この他にも一時シェイクスピア作ではと言われて今はトマス・ミドルトンじゃないかとか言われている『貴婦人の悲劇』(The Lady’s Tragedy)とかも手稿でしか発見されてません。
#Shax_nichigei_1130 『サー・トマス・モア』の手稿にはどうもシェイクスピアの自筆と思われる部分があるのですが、これも刊行されてませんでした。基本的に商業演劇で手稿が残ることはそんなになくて、それで『サー・トマス・モア』は検閲用だったようです。
#Shax_nichigei_1130 手稿が残っていればいいほうで、完全に失われたものもあります。どうもシェイクスピアの作品で『恋の骨折り得』(Love’s Labour’s Won)と『カルデニオ』(Cardenio)ってやつがあったらしいのですが、これは2作とも行方不明です。
#Shax_nichigei_1130 問題は、このあたりは本当に完全に行方不明なのかもわからないということです。『恋の骨折り得』は私たちが知っている何かのシェイクスピア喜劇の別名で、別に失われていない可能性もあります。
#Shax_nichigei_1130 この『恋の骨折り得』は来歴が不明すぎるので、BBCのドラマ『ドクター・フー』でネタに使われたことがありまして、そこでは『恋の骨折り得』にはエイリアンの陰謀で魔法の呪文が含まれていたため永久に失われたということになってました。
#Shax_nichigei_1130 『カルデニオ』のほうはどうも『ドン・キホーテ』関係の話だったらしいです。一応これが候補じゃないかという台本が残っておりまして、さっき出てきた『貴婦人の悲劇』がそれじゃないかとか、あと『二重の欺瞞』っていうアーデン版に入ってる候補作があります。
#Shax_nichigei_1130 この他、どうも著者が自分で原稿を破棄したせいでなくなったという台本があります。フルク・グレヴィルは自作の『アントニーとクレオパトラ』(Antony and Cleopatra)を焼いたそうです。
#Shax_nichigei_1130 そういうわけで近世イングランドにはタイトルだけ残っていて失われた戯曲がたくさんあるため、そういうものだけを調べるための専門データベースがあります。なくした物を見つけるためのデータベース、Lost Plays Database。 lostplays.org/index.php/Main…
#Shax_nichigei_1130 18世紀以降のシェイクスピア刊行ですが、1709年に出たニコラス・ロウ編の『シェイクスピア作品集』が近代的シェイクスピア研究の始まりと言えます。18世紀にはいろいろ有名な文人が編集した版が出ました。
#Shax_nichigei_1130 現代のシェイクスピアの有名なエディションとしては、アーデン版(Arden)、オクスフォード版(Oxford)、ニュー・ケンブリッジ版(New Cambridge)、ノートン版(Norton)、リヴァーサイド版(Riverside、学者向けの全集)などがあります。
#Shax_nichigei_1130 それぞれこういうエディションには編者がつくわけですが、古典のモダンエディション編者(Editor)の仕事は手稿の場合、まずミミズののたくったような古い文字を解読するところからはじまります。印刷本の場合、いくつかの版を比較検討するところからはじまります。つらいです。
#Shax_nichigei_1130 戯曲の場合、登場人物の名前はどうするかとか(意外と人物名が統一されてなかったり、省略されててわからなかったりする)、ト書きはどうするかとか(基本的にあんまりト書きが無い)、いろいろ問題が起こります。
#Shax_nichigei_1130 エディターが付け加える、原文にない指示が必要になることもあります。あと、いわゆるテキストがぶっ壊れているような箇所(意味が通らない、たぶんなんか間違ってる、など…)はどうするかとか、どんどん問題が出てきます。
#Shax_nichigei_1130 皆さんのお手元にあるシェイクスピアの台本ができるまでには、こういうエディターの苦労があります。実は台本を確定するだけで一苦労なんですよ。編集・校訂は基礎研究みたいなものであまり日が当たりませんが…
#Shax_nichigei_1130 さて、本になった戯曲はどうなるのでしょうか。書店から読者に売られていきます。識字率が低かったため、本を自分で買って読める人は現代に比べるとだいぶ少なかったです。
#Shax_nichigei_1130 こうして人々の手元の届いた本はいろいろな経験をします。製本されます。読者が蔵書票を貼ったり、書き込んだりします。ボロボロになります。古本として売られたり、贈答品として親戚や友人に贈られたり、故人の文庫の一部として相続されたりします。図書館や文書館に入ります。
#Shax_nichigei_1130 こうして、同じ鋳型から作られた複製品であるはずの本の一冊一冊が、その後の扱われ方により、個性を持ちます。このため、古い貴重書は一冊一冊が違うものとして扱われるようになります。
#Shax_nichigei_1130 つまりですね、最近私が出した『批評の教室』という本がありますが、あれはたぶん今書店に並んでいる本は全部「同じ本」として扱われます。しかしながらシェイクスピアのファースト・フォリオは印刷本で同じ鋳型から作られたのに一冊一冊が違う本として扱われます。
#Shax_nichigei_1130 まず、この頃の本はちゃんと製本されない状態で売られるので、まずはそれぞれ製本しないといけません。フォリオは重くてかさばるので、皮などを用いて立派で丈夫な製本にすることが多いです。そうでない場合、バラバラになるなど悲惨なことになることもあります。
#Shax_nichigei_1130 これは私がニュージーランドのオークランド市立図書館で撮ったサード・フォリオの写真です。立派な背がついてますね。
#Shax_nichigei_1130 クォートの場合、作者も内容も違う何冊もの戯曲本をひとつに製本して合本にしてしまうことがあります。大英図書館などではかなりカオスな本に出会したことがあります。
#Shax_nichigei_1130 なお、本の各部位の名前については第一印刷ウェブサイトとかを参照してください。ものによっては小口に絵がついているとか金がはってあるとかいうようなしゃれたものもあります。 daiichiinsatsu.co.jp/200_support/23…
#Shax_nichigei_1130 それから蔵書票(bookplate)とか蔵書印がついてるものもあります。日本では蔵書印(はんこ)のほうが盛んですが、ヨーロッパやアメリカでは蔵書票のほうが人気があります。これはさきほどのサード・フォリオについていた蔵書票です。紋章とかがついたカッコいいやつですね。
#Shax_nichigei_1130 ちなみに担当教員は蔵書印を持っています。
#Shax_nichigei_1130 所有する本に署名をする人もいます。名前の他に住んでいる場所や年号、本をくれた人の名前などを書くこともあります。これは明星大学所蔵の刊本にあったものですが、蔵書票を囲んで代々本を相続したと思われる女性がサインをしています。
#Shax_nichigei_1130 文中に書き込みがあることもあります。本文についての注釈や語釈、他の版と比べた時の違いなどの他、単なる落書きも多数あります。これはさっきのオークランドのサード・フォリオですが、左側の校訂を準備するための書き込みがあります。
#Shax_nichigei_1130 こういうのは完全に単なるラクガキだと思いますね。
#Shax_nichigei_1130 あと、本はけっこう贈答・相続されます。ジェンダーニュートラルに友人や親族に本を贈ることが行われていました(つまり男女で贈り合ってもけっこうOKな贈答品だった)。16-18世紀頃は非常に盛んでした。相続によるコレクション形成もありました。
#Shax_nichigei_1130 これはおそらく18世紀ウェールズあたりの人が親戚同士で贈ったシェイクスピアの戯曲刊本です。
#Shax_nichigei_1130 古書には高値がつくこともあります・Rare books (稀覯本)の中にはすごい値段になるものもあり、シェイクスピアのファースト・フォリオは世界で最も高額な印刷本のひとつです。状態にもよりますが今の価格は5億円から10億円とかですね。
cnn.co.jp/style/arts/351…
#Shax_nichigei_1130 おそらく値段をつりあげるためと思われるのですが、著名人の蔵書票などを捏造する場合もあるようで、私はそういう怪しい本を見たことが一度あります。素人にはわかんない立派な偽造(他の本からとってきて貼る)もありますので、騙されないようにね。
#Shax_nichigei_1130 ちなみに世界で最も高額な印刷本はジョン・ジェームズ・オーデュボンの『アメリカの鳥類』(The Birds of America, 1827-38)で、状態にもよりますがこれも10億円くらいですね。
jp.reuters.com/article/audubo…
#Shax_nichigei_1130 ちなみに『アメリカン・アニマルズ』という映画がありまして、これはオーデュボンの『アメリカの鳥類』を大学図書館から学生が盗もうとするという話です。 amzn.to/3Dbi6pk
#Shax_nichigei_1130 ちなみに『アメリカン・アニマルズ』は下手クソな盗みを描く作品なのですが、研究のため大学の稀覯本閲覧室に通っていた者としてはあまりにも計画が下手すぎてビックリしました。
#Shax_nichigei_1130 物体としての本には単に「読むため」だけではない、いろいろな価値があります。製本・装釘の美しさ、古くから受け継がれてきたものだという骨董的感覚、過去に同じ本を使ったユーザの痕跡、他の本との違いなど。これが古書の価値を作ります。
#Shax_nichigei_1130 だからファースト・フォリオは高いんです。
#Shax_nichigei_1130 最後に教員が2016年にわざわざスコットランドのビュート島まで見に行ったファースト・フォリオを紹介して終わりましょう。ビュート島はグラスゴーから鉄道と船とバスを乗り継いでいきます。それでバスでビュート侯爵の屋敷であるマウント・スチュアートまで行くのですが(続)、
#Shax_nichigei_1130 バスを降りてからすごい距離歩きます。とにかく広い。
#Shax_nichigei_1130 これがお屋敷です。この中にフォリオがあります。
#Shax_nichigei_1130 お屋敷がすごいです。
#Shax_nichigei_1130 やっとファースト・フォリオが…3つに分けて製本されている変わったフォリオです。必ずしも1冊にまとめて製本しなくても良いんですね。
#Shax_nichigei_1130 ファースト・フォリオは図書館や文書館にある他、こういう貴族のお屋敷とか王室とかが持っていることもあります。そして元の持ち主が著名人で痕跡があったりするとさらに価値があると見なされ、値段も上がったりするわけです。
#Shax_nichigei_1130 それでは本日の授業はこれで終わります。履修登録者の皆さんはグーグルクラスルームの課題を忘れずに。今日の授業の教訓は「稀覯本の偽造に気をつけよう」です。

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27 Nov 20
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