他の家族が揃って長文系タグに取り組んでいてお待たせしとるみたいやから、俺からはさくっとつまめる短文系を…!
名前伏せと迷ったけど、お父様と重複するから普通に届けるで!
(架空の果実など含む/ほんのり異性の影/お酒なし)
※初参加、時間差大歓迎!
#タグ
「叶えたい夢ができたから中心街に行くんだね。…おめでとう、お祝いしなくちゃ」
旅立ちを控えた彼女へ、少年はお洒落なグラスを傾ける。
新しい土地でも歩めるよう、そっと背中を押してやる。
「この味、覚えておいてね。…何か抱えたときは、きっと心がすっとするから…」▽
弾けるサイダーと、蜂蜜漬けのライムが、口の中で踊る。
ステップを踏むような軽さに、彼女はそっと微笑んだ。
「ありがとう、シグルズくん。私、きっとまた戻ってくるから、そしたら私と…」
溢れたのは、明るい未来を見つめる言葉…
【Lime Jive】feat.Sigurd
#タグ
「大丈夫ですか?具合でも悪いのでは?」
「暑いせいかしら、ごめんなさい、せっかく会えたのに」
久方ぶりにみた彼女は、疲れていたようだった。
メニューの中から、口当たりの優しい飲み物を選ぶ。
ほうじ茶、蜂蜜、それから豆乳。
ほのかに甘さを主張するそれに口をつける。▽
「…思い出すわ、この味。あ、もしかして今年は」
───外に出て電話をかける彼女。
『もしもし、帰れなくてごめんね。お父さんにいつものお茶お供えした?…』
「…そんな時期でしたねぇ」
どこまでも優しい香りが呼ぶのは、懐かしい記憶。
【回想香】feat.幸
「告訴我你的心,我要聽(君の心が知りたい、聞かせて)」
青年が甘く囁けば、彼女の唇が暗い本音、そしてありったけの愛を紡ぐ。
「本心を知りたい時は、反鏡果が良い。蜜が良く効くんだヨ」
───微笑む彼が、魔法使いに見えた夜。
【壊嘘甜湯】feat.湾
#タグ
「さて、lady.なぜここに連れて来られたか、もう分かっているね?」
冷たい声の魔王は、女盗賊に投げかけた。
「…知ったこっちゃない。アタシは欲しいものがあっただけさ。だから盗んだ!」
「……本当に?」
彼女の方へ傾けられた盃がみるみる満ちていく。▽
「…君は義賊だ。君のお陰で残る命は多い…けれど正しくないやり方をしたから、君は天界へは行けない。…だから」
もう少し、と聞こえた後、苺に似た雫が彼女の唇を潤し、魂を元の世界へと還した。
─── 一握の慈悲は、眩しい。
【DarkGrace】feat.Daniel
#タグ
「…こっちへ来るんだ」
追われている彼女を、その影は匿った。
猫の姿だったその形は一瞬にして青年の姿へと変じ、救いの手を差し伸べる。
黄金に輝く果実と、優しい香りの花の蜜。
混ざりあった甘美な雫が少女の命を繋ぐ。
「…私の眼…」
少女が呟くその訳は瞳にあった。▽
少女は、猫のような眼を持つようになっていた。
「好きなだけここにいればいい。だがもし、お前が外へ出たいと望む時はその眼を使え。暗闇でも、追手の魔の手がよく見えるから」
猫眼の紳士のエスコートは、少女を優しく守り続けた。
【Catsight dew】feat.Leroy
「心が落ち着くの。サーシャくんの手作りだし…それに」
少女が暗さを零す。
「私のlimitのこと、忘れられるし」
青年は囁く。
「俺は…過度に奢るなとは言ったが、悲観だけはするな。最期迄、信じろ」
───グラスで踊るは希望の雫…?
【AntiFateTear】feat.Саша